金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

『戦争に代わるもの――平和の中で勇気と規律を育てる』(チャーリーの金融英語【第19回】【第20回】)( 2025年11月6日)

1910年に発表されたウィリアム・ジェームズの論文『The Moral Equivalent of War』(戦争の道徳的等価物)の日本語訳をお届けします。初の邦訳ではありませんが、私の調べた限りでは、全編を通して日本語で現在読める媒体はこれまで見つかっておりません(1956年に出版された河出書房の世界大思想全集『ジェームズ論文集』に収録されていたと伺っております)。原著が著作権フリーとなっていることを踏まえ、今回は公開に踏み切ることにしました(日本会議通訳者協会〈JACI〉連載「チャーリーの金融英語」第19回・第20回に掲載)。

ジェームズは徹底した反戦の立場に立ちながらも、戦争がもたらしてきた「規律」「勇気」「団結」を、平和な社会でいかに再創造できるかを問いました。分断と暴力が言葉を奪いつつある現代において、この問いは今なお切実です。

長文ですが、ジェームズの構想をじっくり味わっていただけるよう、段落ごとにタイトルを付し、本文の後には簡単な解説を添えました。ウェブページには翻訳のみを掲載していただきましたが、別途、英語原文・英和対訳・日本語訳を一括収録した「英和対訳版PDF」も作成しています。ご希望の方はPDF版をダウンロードしてお読みいただけます。

翻訳作業では、ChatGPTやClaudeなど複数の生成AIを比較参照しつつ、構文・語義・文体判断はすべて人間の判断で行う「MTPE(Machine Translation Post-Editing)」方式を採用しました。AIを単なる道具にとどめず、「知を媒介する装置」として活用することで、翻訳の思考空間が大きく広がり、背景情報や文脈を多層的に捉えながら原典と向き合えるようになりました。その過程で、翻訳という行為が、単なる言語変換ではなく、思想を新たに読み替える営みであることを改めて感じました(この点については翻訳後記に詳しく記しました)。

今回の公開は、日本会議通訳者協会のマイク関根さんのご理解とご厚意なしには実現しませんでした。

マイク関根さんに心より感謝申し上げます。

www.japan-interpreters.org

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