金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

has は動詞 (翻訳ストレッチ教材から)

今朝の翻訳ストレッチから。私がつい引っかかってしまった英語(恥)。ペンと紙を用意して、まず自分で訳してからお読みください。

Nothing in this world is of any worth which has not labor and toil as its price.

(中原道喜著『新英文読解法』(金子書房)p56)

以下はこのについてChatGPTに問い合わせた問答です。Tは僕、CはChatGPT。

T:この英文を文法的に分析し、分かりやすい日本語で翻訳してください。

C:まず、文法的に分析した後、翻訳を提供します。

文法的な分析
Nothing in this world

「Nothing」が主語で、「in this world」は「この世界において」という意味の前置詞句で、主語に対して補足情報を加えています。
is of any worth

「is」が動詞で、「of any worth」は「価値がある」という意味の補語(形容詞句)です。「of worth」は「価値がある」を意味し、「any」が加わることで「どんな価値も」と強調しています。
which has not labor and toil as its price

「which」が先行詞「Nothing」を受け、関係代名詞節を導いています。
「has」は動詞で、「labor and toil」は「労働と努力」という意味の目的語です。「as its price」は「その代価として」という意味で、「labor and toil」の意味を補足しています。
日本語訳
この世の中において、労働と努力を代価としないものには、何の価値もない。

解説
「Nothing in this world」は「この世の中において何もない」、つまり「どんなものもない」という意味で、全体の意味を強調しています。
「is of any worth」は「何の価値もない」となり、「価値」の有無を表しています。
最後の部分で「which has not labor and toil as its price(労働と努力を代価としない)」が、価値がないものの条件を表しています。
このように、文全体として「この世で価値があるものは、必ず労働と努力を代価としている」という意味になります。

なお、この英文は文法的には正しいのですが、読みやすさと自然な表現を考えると、少し修正することでより流れるような表現にすることができます。以下のようにすると、よりスムーズでわかりやすくなります。

修正版
Nothing in this world is of any worth unless it has labor and toil as its price.

修正の理由
「which has not」を「unless it has」に置き換えることで、ネイティブらしい自然な表現になります。
「unless」は条件を表し、労働と努力が「なければ」価値がないことを明示します。(ここまで)

以上ご参考まで。