金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

英英辞書の語釈から和訳に進む:『新訂・英文解釈考』③(翻訳ストレッチの教材から)

佐々木高政著『英文解釈考』って。その後の伊藤和夫さん他に比べると構文の解析が大ざっぱで、どちらかというと「読書百編、意自ずから通ず」みたいなところがあるのだけれど、英英辞典を使った英単語とか英熟語(慣用句)の深い理解とそれに基づく和訳を学ぶには学ぶところが相当ある(大学受験生でも使える)のではないか。

例1
(原文)Obviously one way of preventing disease is worth fifty ways of curing it.
= It is obvious that one way of preventing disease is worth fifty ways of curing it.

(解説)「obvious: clear, easily apparent to the mind and understanding」 と紹介し、このeasily apparentについて「too apparent to need any explanation の感じが強い」と説明し、
(意味)一つの病気の予防法は五十の治療法にも値することは説明するまでもなく明白です。 (p83)

例2
(原文)He seemed to be astonished, as indeed well he might.
(解説)well:with good reason
(意味)彼は仰天したようだった、まったく無理もなかったが。(p81)

例3

(原文)It is practically a law in life that when one door closes to us another opens.  The trouble is that we often look with so much regret and longing upon the closed door that we do not see the one which has opened.
(解説)practically: as good as; in effect, virtually. theoretically に対するそれ(practically)ではなく'It is a law'と言い切るのを一歩譲った言い方。
(意味)ひとつの扉がわたしたちにしまると別のとびらがあくというのが人生のひとつの法則と言ってもいいくらいだ。まずいことに、閉じた扉をあまりにも残念がり、切なく見つめるため、開いたとびらがわたしたちの目に入らない。(p80)

ここは、II章「文意の織りなし」副詞」なので、こういう説明が続く。この章は英英辞書で単熟語の意味を知り、日本語の表現で身につける章という感じ。上級高校生は十分行けるのではないかと思った。僕が高校の英語教師なら、本書のこの章をテキストにして授業プログラムを組むと思う。

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