金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

手書き写しの効用②

出会った言葉:
……白川静(1910~2006)は、古代の甲冑文字や金文をひたすら書き写すことで、文字の成り立ちのみならず、底に隠された古代中国の人々の文化や思想まで解明していったという。写経もそうだが、書き写すという作業は、文字と文章、意味と思想を理解する上で不可欠のプロセスなのかもしれない。
(江利川春雄著『受験英語と日本人―入試問題と参考書からみる英語学習史』pp183-184、研究社)

引用文は、終戦直後、紙不足の時代の勉強方法を紹介した章から。渡部昇一さんもほぼ同じ方法で英語の参考書を全文書き写し、それが原因で目を悪くしたという話が出てきます。

ちなみに本書のプロローグは「受験英語の巨星・伊藤和夫」で伊藤先生の生涯をその功績とともに紹介しているのですが、その表紙の写真(50代ぐらいかな)が、忌野清志郎に似ていると思った(僕だけかな?)。

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