金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「書き写すという作業は、文字と文章、意味と思想を理解する上で不可欠のプロセスなのかもしれない」:2018~2021年の今日(4月5日)に出会った言葉

(1)2021年4月5日  
「一人や二人ではなく、もしみんなが一緒になって(抗議の)声明を示すためにSNSをボイコットするとなれば、自分も協力する」ギャレス・ベイル(サッカー選手)
(「我慢の限界 アンリ氏『SNSやめる』 欧州サッカー界にも影響」2021年4月2日(金)付朝日新聞夕刊)
本日の言葉は、差別やいじめが横行するSNSに堪忍袋の尾が切れたティエリ・アンリ氏に同調して声を上げたウェールズ代表選手の発言。これを読んだ相方が「この発言と反応、とってもSNS的だね」と一言。鋭いと思いました。

(2)2020年4月5日  ·
……白川静(1910~2006)は、古代の甲冑文字や金文をひたすら書き写すことで、文字の成り立ちのみならず、底に隠された古代中国の人々の文化や思想まで解明していったという。写経もそうだが、書き写すという作業は、文字と文章、意味と思想を理解する上で不可欠のプロセスなのかもしれない。
(江利川春雄著『受験英語と日本人―入試問題と参考書からみる英語学習史』pp183-184、研究社)
本日の言葉:引用文は、終戦直後、紙不足の時代の勉強方法を紹介した章から。渡部昇一さんもほぼ同じ方法で英語の参考書を全文書き写し、それが原因で目を悪くしたという話が出てきます。ちなみに本書のプロローグは「受験英語の巨星・伊藤和夫」で伊藤先生の生涯をその功績とともに紹介しているのですが、その表紙の写真(50代ぐらいかな)が、忌野清志郎に似ていると思った(僕だけかな?)。

(3)2019年4月5日  ·
絵本ナビ編集長、磯崎園子の義母は、孫が駄々をこねるとすぐに「また、おじらさんがはじまった」と言う。「じら」は「自良」。じらをくる(思い違うとぐずる)子は思いが明確だから、「大きくなってちゃんと判断できるようになる」と。
(「折々のことば」昨日付日経新聞

(4)2018年4月5日  
バランスを崩してでも身体を張るという経験をしたことがない人は、身をすぼめるだけ。
(「折々の言葉」より4月4日付朝日新聞