金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「人はチャレンジして失敗して恥ずかしくても、死ぬことはありません」(2から5年前に出会った言葉)

(1)2020年の今日
労働における諸問題を「個々人の意欲」みたいなもので解決する方途を主張している人間は……「本人にやる気があれば、紙の鍵盤で練習していても一流のピアニストになることができる」みたいなお話でしょ?それって格差の全面肯定だよ。
小田嶋隆著、武田砂鉄撰『災間の唄』(株式会社サイゾー)p78)
*本日の言葉:「自助」とか「新自由主義」を強調しすぎるとこうなる。

(2)2019年の今日
皮肉なことに、アップルという会社は、市場調査をほとんどやらないということでもよく知られている企業です。
(「”作りたいもの”が感注力を持つ」『ニュータイプ時代―新時代を生き抜く24の思考・行動様式』p97。山口周著 ダイヤモンド社
本日の言葉:「自分が作りたいもの」に思いっきりこだわって製品を作った方が、あたったときには爆発的な市場規模を持ち得る、という文脈の中の一節。ところが最近は、まず市場調査をして「何が売れそうか」が重視されている。それではある程度の市場は獲得できるかもしれないが、突破力がない。「どうしたもフォーカスの甘い製品にならざるを得ません」(同書P100)。
書籍も同じだろう。少なくとも書き手は、「この本は売れそうか?」よりも「自分は何を書きたいのか?」「自分は何を訳したいのか?」が大事なのだろうと思います。著者はゼロから書くのだが、訳者は探すしかない。そのためには多くの本を読む必要があるのだけれど、日ごろの仕事に忙殺されてなかなか読めない、という悩み。寝る前にいつも2~3冊枕元に置くのですが、なぜか寝付きが早くて(?)10分ぐらいで寝てしまう情けなさ。

(3)2018年の今日
人はチャレンジして失敗して恥ずかしくても、死ぬことはありません。だからみんな簡単に「失敗したらおしまいだ」って言うけど、生きてます。失敗しても大丈夫、また歩けばいいだけですから。  出雲充さん
(「仕事力――失敗や恥では死なない」昨日付朝日新聞

(4)2017年の今日
バブル期の女子高生は「ホントー」「ウッソー」を連発し、団塊世代の大人たちのひんしゅくを買ったものだ。でも、・・・最近の若者は「マジっすか?」である。真偽ではなく、発言者の本気度に対する疑問に変質した。(本日付日本経済新聞「春秋」)
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