金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「知識における最大の敵は無知ではなく、知っていると錯覚することだ」:3月17日に出会った言葉

(1)2020年3月17日
スキよりもイヤのほうが強い感情である。自分にとって嫌なことほど、自分の価値観のスイートスポットについての理解が深まる。……「ああ、こういうのが心の底からイヤ……」という思いをするほど、人間の本質がわかる。自分がわかる。
(楠木健著『室内生活 スローで過剰な読書論』晶文社p186)
*本日の言葉:読んでいてヒジョーにイヤな気持ちがする読書のことを筆者は「特殊読書」と呼び、時たま特殊読書をすることが愉悦なのだ、という趣旨の文章の一節。人は自分と似ている人のことを嫌いになる、という話をどこかで聞いたことがある。なぜイヤーな気持ちになるかを考えると自己分析になる、ということだろうか。頭では分かるけれども、なかなか……。

(2)2019年3月17日
……「協力」をどう英訳するかで通訳者の英語能力が試されます(と勝手に思っています!)。両方とも確かに、同じような意味ですが、英語でcooperateは主に、補完的役割としての協力(たとえば情報やリソースの提供)を意味する一方、collaborateは同じ「協力」でも距離がグッと近くなり、現場で「一緒にやろう!」感が強くなります。ですから、災害支援などの会議では、状況によってはcollaborateを使う方が聞き手にとって安心感が大きくなると思います。
(『同時通訳者のここだけの話』関根マイク著 p37)

(3)2018年3月17日
『知識における最大の敵は無知ではなく、知っていると錯覚することだ。』
 *本日の言葉、昨日ツイッターで見かけました。ホーキング博士の言葉だそうです。出典は調べておりませんが、良い言葉だと思ったので。