金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「多数派が少数派の批判にたえられるかどうかがためされる過程にこそ、意味がある」:出会った言葉(1年前~7年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(61)

(1)2年前の今日
さて、字が読め、十分な語彙量があれば、不自由なく文章を読むことができるでしょうか。
いいえ。……もちろん、これまでの国語教育で重視されていた文脈や行間や、その文章が書かれた背景を知ることも、文章をより深く理解する上では必要でしょう。ですが行間を汲み取る前に、「行中」を読めるようになるためには必ずできなければならないことがある。それが、文の作り(構文)を正しく把握したり、「と」「に」「のとき」「ならば」「だけ」など、機能語と呼ばれている語を正しく使えるようになることなのです。
(『AIに負けない子どもに育てる』p36 新井紀子著、東洋経済新報社

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*本書のタイトルは、親御さんを刺激するために(きっと売るための工夫)『AIに負けない子どもに育てる』ですが、実際には『AIに負けない力をつける』。まだ最初の60頁しか読んでいないけど、対象は子どもだけではなく、誰にも役立つ本だ、というのが第一印象。

(2)3年前の今日
 評決だけを問題にするなら、多数派が勝つことは初めから自明のことだ。討論は儀式となり、居眠りをしていればよいだろう。しかし民主的な討論とは、多数派が少数派の批判にたえられるかどうかがためされる過程にこそ、意味がある。
(少数派『深代惇郎天声人語』p76 昭和48年(1973年)7月19日)

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(3)4年前の今日
“Journalism is printing what someone else does not want printed: everything else is public relations.”
George Orwell
*someone elseが首相官邸ならば、首相官邸記者クラブは、ほぼ全員がジャーナリストなのではなく、政府広報なんだろう。