金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「小学校を卒業するまでに板書をリアルタイムで写せるようにする。」:出会った言葉(昨年~6年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(79)

(1)昨年の今日
特にネット空間では、短時間でわかりやすく情報を発信する人に価値がある、知性があるとされる。でもプレゼンテーションのスキルは「自分を賢そうに見せる技術」であって、何度スピーチをしても話者自身は賢くならない。……本当に知性的な人は、他者との対話を通して、自分の「情報の見方」自体を変えることができる。内田樹さん
(「知識より直感 『野蛮人』たれ」2020年9月30日付朝日新聞
*2020通訳翻訳フォーラムで2年ぶりにパワポを使った。シート単位でまとまった情報やコンセプト入れ替えたり見せたりするのにはとても便利だったが、それ以上うまくなる必要があるのかな?とは思いました。「パワーポイントはクソ仕事の元凶です。人を『仕事してる気』にさせてしまう」という出口周さんの感覚に近かった。大事なのは対話だという引用文に大いに共感した次第。

(2)2年前の今日
「小学校を卒業するまでに板書をリアルタイムで(書き)写せるようにする。小学校のうちに穴埋めプリントを卒業する。そして、中学校ではプリントを使わないことを目標にする」…… それは、私たちがテクノロジーの導入によって、20年あるいはもっと長い時間をかけて失った能力を回復する作業です。……スマートフォンの普及は、幼児が接する大人たちがSNSやゲームに集中する時間を増やし、大人同士の会話を聞く時間や自分に話しかけてくれる時間を劇的に減らしました。それが子どもたちから「何らかの力」を急速に奪いつつあると考えるのが妥当でしょう。
(『AIに負けない子どもに育てる』pp191 新井紀子著、東洋経済新報社

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(3)3年前の今日
 ……ああ、これは向田さんのエッセイと同じだと思った。格調高い文章の間に交じるさりげないユーモア。ご自分のささやかな弱点を誇張し、読者を楽しませるサービス精神が溢れているのだ。
山根基世向田邦子の『愛』」『向田邦子を読む』(文藝春秋編 (著))p135より)

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(4)4年前の今日
ことばには、他人の言い方が誤用だと思ってしまうと、なぜかそれを黙って見過ごせないという、おかしな魔力がある。 神永曉(さとる)
(2017年9月29日付朝日新聞「折々のことば」より)

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