金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「いい夫婦の日」に (2017年11月)

「お父さん、今日甘い物食べたでしょ」
それはいきなり、予想もしない方向から来た。昨日の夕食時、次男の誕生祝いの食事会の席だった。
「いえ、食べてません」
僕は手を口元に持って行くのをグッとこらえてこう答えた。
(3時間前にセブンイレブンで食べた大福餅の粉がまだついているはずはないじゃないか~)。
「いいえ、きっと食べたわ。間違いない」
「食べてません」
その時の僕は、きっと選挙直前のテレビ番組で野党にモリカケ問題を追及されて「丁寧に説明してきました」と答えていた安倍首相のように目が泳いでいたに違いない。
「でも、どうしてわかるの、お母さん?」と次男が口をはさむ。
本人は場を和らげるための一言だったろうが、私には後方から弾を撃たれたような気分である。(でもなんでバレたんだろう?)
「お父さんのまぶたがちょっと膨らんでいるのよ」
ひぇ~そう来たか~。
「お父さん、甘い物食べたり、お酒飲んだりした後はまぶたがちょっと膨らむのね。・・・見てごらん、膨らんでるでしょ、お父さんのまぶた」
「あ~そうかも・・・」(このボケ!)
私は正面を向いたまま身じろぎもしなかった(できなかった)。
万事休したか、と思った刹那・・・
「でもお父さん、昨日ゼミのOB会だったもんね。そこで飲んだんだよね」「お~、ま、まあな」
実は私は仕事があったので、乾杯時の一口しかビールを飲んでいない。しかもそれは前日の昼だ。
つまり、「今」のまぶたの腫れは’(もしそれが事実なら)、3時間前のイチゴ大福が原因なのである。
「そうよね、ビールよね・・・気をつけてよ、あんた普通の身体じゃないんだから」「は~い」
こうして危機は去ったのである。
おしまい。