金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「なにくそコンチクショー」(『金融英語の基礎と応用』の執筆を支えたのは意地)

やっと著者向けの見本本がきた。

本当は23日までには着くはずだったのだが出版社の手違いで最初の2冊が着いたのが25日(ひとまず編集部にあるものを2冊宅配便で送ってもらった)。これは2冊ともそのまま鞄に突っ込んで翻訳祭の前夜祭で1冊進呈、もう1冊も同じ日に授業があった金子先生の所にお持ちした段階で手持ちがなくなった。

自分でアマゾンで買えば良いのだがタダの本があと3冊来るのがわかっているのにポチるのはどうもね~(我ながらセコイ)と思って注文しなかった。

で昨日来た3冊のうち1冊を神棚(と言いますか亡き父の写真と鈴の置いてある場所)に供え、1冊は自分の手元に置く(これは自分で使うため)。すでに10冊注文したのが今週に来る予定。1冊を実母、1冊を妻の実家に渡してあとはすべて営業用(含むお世話になった人への進呈)に使う。今の予定では贈り物や営業様で都合30冊ぐらい購入するだろう。

何しろ少部数でお二人の校正者への校正料(これは秘密)の半分を私が負担しているので、営業様の自腹買い分を除くと3年間、恐らく1000時間は超える努力の初版によるネットの収入はチョボチョボでございます。

さっきたまたま見たNHKのニュースで羽田圭介さんが、「金のために小説は書きたくない」とおっしゃっていた。僕だって今回の本「金のために」こんなに時間や労力を費やしたわけじゃあない。

何しろこの3年半、山あり谷あり、いやほとんどが「谷」でときたま瘤(コブ)、山があるとしたらそれは2回ほどあった活火山の噴火でございまして(これも秘密。時たまお友達に弱音や愚痴を聞いていただきました)・・・そうした状況で進んで来た。先の見えない、あえて喩えれば賽の河原の石積みのようなコツコツした作業を続ける中で、ようやく構想が完全に固まって「この方針(50音順の大見出し=目次と小見出しの組み合わせでまとめる)で行けそう」と思って編集者のMさんに「何とか行けそう」と電話したのがこの3月なのだ。

自分を支えたのはただひとつ。

「意地」でございますよ。

「ここで止めてたまるか!!」「なにくそコンチクショー!!!」の精神が一番大きかったと思う。訳書の時にもそういう思いも抱きますが、今回は特別この意識が強かったと思う。

そういう意味では、本書が出た、というのはこれまでの訳書に較べても達成感が大きい。

しかし、出来てしまうと、ずっと隠れていた「銭ゲバ」精神が頭をもたげてくるのである。

やっぱり少しは売れてほしい。

だから自分でできる範囲の営業努力はする・・・というわけでここ数日は夕食後にせっせとメールや名刺入れをひっくり返しては「出版のご挨拶」のメールを送っています。宛先には気をつけているつもりですが、もし皆さんに私のメールが行っていましたらお見逃しくださいね。

・・・というわけで、本日も皆さんにとって素晴らしい1日となりますように!!

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