金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

翻訳ストレッチ:今以上に試行錯誤していた頃(2013年2月)の書き込み

下記は翻訳ストレッチが今以上に試行錯誤だった頃(2013年2月12日)のFBへの書き込みです。当時は「翻訳筋トレ」と言っていましたが、混乱を避けるため下記の文章では「翻訳筋トレ」→「翻訳ストレッチ」に書き換えました。

(以下転載)

「翻訳ストレッチ」、つまり仕事前の勉強で新しく二つの試みを始めた。
一つは、今2~3日に1度音読している『芥川龍之介短編集』(新潮社)に、AKUTAGAWA Rashomon and seventeen other storiesの音読を加えたことである。つまり、ひとまとまりの原作を読んだ後にその英訳を音読することにしたのである(購入してあった)。

芥川龍之介短篇集 | 芥川 龍之介, ルービン, ジェイ, Rubin, Jay |本 | 通販 | Amazon

この本は元々英語で書かれたものらしい、つまり『芥川龍之介短編集』の方が「翻訳本」のはずなのだが、何しろ芥川龍之介の作品そのものは元々日本語なのだから、翻訳本の方が原著なのだ(変に面倒くさいね)。
今日「鼻」を読み始めて1、2段落読み終わったところで、「さてこれは英語で何と言っているのかなあ」と思って英語で読んでみた。
面白い。
どう面白いのかは今はくわしくは解析できない。ただ今わかるのは、『日の名残り』とは何か頭の働きが逆になって読んでいる感じだ、ということだ。
こう考えると私が今原文と訳文を代わる代わる(1~2段落ごとに)読んでいる(読むことにした)書籍はそれぞれ特徴が異なることに気づく。
①『日の名残り』:原文が英語で訳文が日本語
②『さゆり』日本語で話したことになっているお話しをアメリカ人が英語に訳したことになっている原文が英語でその訳文が日本語
③『芥川龍之介短編集:(少なくとも作品に関しては)原文が日本語で訳文が英語
最初から狙っていたわけではないが、仕事を始める前に実に実に面白い音読をしていることに改めて気がついた。

二つ目は同じページを何度も(10回)音読するということ。
テキストの一つが『英語達人読本』(中央公論新社)。

CD付き 英語達人読本 | 斎藤 兆史, 上岡 伸雄 |本 | 通販 | Amazon

英語の世界で名文とされている(少なくとも斉藤教授はそう判定している)文章が1~1ページ半ぐらい並んだ文集なんですが、実はこの1編1編がかなり難しい。19世紀から20世紀の初め(一番新しいのが「日の名残り」だったかな?)ぐらいの英語で、大学の教養課程でちょっとずつ読んでいく見たいなテキストなのです。
これを最近は毎日音読して、1回1日のペースで次に進んでいたのですが、前回から、とにかく1ページを10回音読し、その日本語訳(あまり上手ではない)を参考にして意味をきちんと把握し、英文が舌にになじむまで次に進まないことにしたのだ。
1つのテキストに費やす1回当たりの時間はだいたい5分なので、意味を良く考えながらすんなり読めて1回半。つっかかると半分ぐらいなのですが、とにかく10回読むまで次に進まないことにした。
だから、3~4回(3~4日)、場合によったら1ページに10日ぐらいかけてひたすら同じページを音読する。
このテキストだけこうしてみようかな、と。だからどう、というものではないですが。
名文を身にしみつけたい、といいますか。そういう試みを始めたわけです。(転載ここまで)

何度も繰り返して音読するという方法がほぼこの頃に固まり、その後は読む本を随時入れ替えながら進みました。「書き写す」に至るまではさらに5年ほどかかっています。

Facebookの「思い出」機能を生かして、当時はお友だち限りで公開していたものを随時ブログに移しています)。