金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

翻訳ストレッチ内訳(2020年10月時点)

試行錯誤をしながら10年ぐらい続けている翻訳ストレッチ。「こういうプログラム」とキッチリ決めているわけではなく、その時々の問題意識に合わせて随時内容を変更してきました。ここ半年で一番大きかった「変更」は「手書きを重視する」ことで、しかも英文解釈の比重を高めることを意識してきた結果、内容見直しもある程度落ち着いてきたので、今段階での内容を整理しておきます。 

1. 英文解釈(毎日):毎日25~30分
『英文標準問題精講』(原仙作、中原道喜、旺文社)1日1題・・・紙に訳文を書いて模範解答を見て添削。5~10回音読。所要時間:25~30分。
2. 英文解釈(次の中から一冊ずつ):毎日10分
『英文解釈教室―改訂版』(伊藤和夫 研究社)
『英文解釈考』(佐々木高政、金子書房)
『思考訓練の場としての英文解釈(1)』(多田正行育文社
『翻訳力錬成テキストブック』(柴田耕太郎、日外アソシエーツ
・・・取り組み方は1と同じ。ただし時間で切る。
*下はl『翻訳力錬成テキストブック』に関する3年前の記事。「勉強を初めて半年で132ページまで来た」と書いてありますが。今は360ページまで来ています。なお当時は「読むだけ」でしたが、今はまず自分の訳文を書いて、解説を読みながら添削しています。この方が断然いい。

『翻訳力錬成テキストブック』 - 金融翻訳者の日記

3. 翻訳関連書籍(次の中から一冊ずつ):毎日5分
『誤訳の構造』『誤訳の常識』『誤訳の典型』(中原道喜、聖文新社)
『英語原典で読む経済学史』『英語原典で読む現代経済学』(根井雅弘、白水社
『翻訳教室』(柴田元幸新書館
『英文翻訳術』(安西徹雄、筑摩学芸文庫)
『さらば学校英語 実践翻訳の技術』(別宮貞徳、筑摩学芸文庫)
・・・基本は線を引きながら読むだけ。時間で切る。

4. 原文と訳書の手書き写し:毎日10分
『絶望を希望に返る経済学』バナジー&デュフロー著、村井章子訳、日本経済新聞出版
・・・原文と訳文を一文ずつ手書きで写して読む。時間で切る。

5. 原文と訳書の音読(次の中から1冊ずつ):ほぼ毎日5分
21世紀の資本』(トマ・ピケティ著、山形浩生訳、みすず書房
『世紀の空売り』(マイケル・ルイス著、東江一紀訳、文藝春秋
『浮き世の画家』(カズオ・イシグロ著、飛田茂雄訳、ハヤカワ文庫)
『特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー』(カズオ・イシグロ著、土屋雅雄訳、早川書房
ガリバー旅行記』(スウィフト著、柴田元幸訳、朝日新聞金曜日夕刊連載中)
・・・原文と訳文を段落ベースで音読。

6. 英文法と英作文:2日に一度ぐらい。英文法、英作文を1冊ずつ。計10分
英文法:『表現のための実践ロイヤル英文法』(綿貫陽、マーク・ピーターセン、旺文社)『ヘミングウェイで学ぶ英文法 2』(倉林秀男、今村楯夫著、アスク出版)『表現のための実践ロイヤル英作文法問題演習』
・・・『ロイヤル英文法』は文法書を前から順番に読んでいるだけ(英文法書を最初から読んだことがなかったので)。
英作文:『表現のための実践ロイヤル英作文法問題演習-解答と解説』『表現のための実践ロイヤル作文のための暗記用例文300』(綿貫陽、マーク・ピーターセン、旺文社)
・・・いずれも英文の丸暗記です。『表現のための実践ロイヤル英作文法問題演習-解答と解説』は、問題集本体で、「回答集を持ち歩いて徹底的に覚えてください」とありました。

7. 日本語文章の音読:毎日。1冊当たり5分×3~4冊。計15~20分
毎日、日本経済新聞の「春秋」と朝日新聞の「天声人語」を音読しています。

また現在20冊ほどが本棚に並んでおり、それを順番に読んでいます。

8. 英文の音読:2日に一度ぐらい。10分。下のいずれか。
Time誌
An Autobiography by Agathe Christie

以上で90~120分ぐらい。上のうち1.2.4は何があっても必ず取り組んでいます。それ以外は時間に応じて調整しています。テキストは使いながら随時入れ替えていきます。

勉強中の皆様のご参考になれば。

(追記:10月30日)
『英語原典で読む経済学史』『英語原典で読む現代経済学』(根井雅弘、白水社)を(3. 翻訳関連書籍(次の中から一冊ずつ):毎日5分)から(5. 原文と訳書の音読(次の中から1冊ずつ):ほぼ毎日5分)に切り替える。
(追記:11月1日)
小倉弘著『英文表現力を豊かにする 例解 和文英訳教本』(プレイス)を英作文教材に追加。日本語→英語の変換過程を改めて学びたくなったため。