金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

Reinventing Organization(『ティール組織』の原著)を1回読んだ後の感想メール(『ティール組織』リーディング依頼⑤)

以下は、今からほぼ6年前に同書を1度読んでT社のOさん(最初にこの本を見つけた人)に送った感想文(固有名詞以外はそのままです)。日付は2015年4月26日。このあと2回読んで企画書(Reading)を書いて提出したのが(結局)5月6日だった。

何しろ、厳密に読んでいない(辞書もろくろく引かずに1回読んだだけ)ので細かい所はずれているにせよ、大枠は外していないことがわかる。特にグリーン組織とティール組織の特徴の違いがわかりやすいと思うのでご参考まで。
(以下引用)
2015年4月26日
O様
お世話になっております。鈴木立哉です。
今本文が読み終わりました。読んで良かったです。
英語をきちんと読み取れない部分もありますが、ザッと読んだ上での印象は、
(1)『世界でいちばん大切にしたい会社』で言うConscious Capitalism(=意識の高い資本主義)にかなりダブる。つまり
1.組織の本来目的(higher purpose)を実現するために会社は存在している。
2.本来目的は社会の厚生を高めることにつながる。
3.本来目的を成し遂げる上で、あらゆるステークホルダーが助け合ってこそ高いパフォーマンスが上がる。
4.本来目的の実現を目指す行動が結果として利益拡大につながる。
(2)ただしConscious Capitalismでは競争も否定していないし(というか、この資本主義が勝つためのルールだと言っている)、かなり民主的、自律的とは言え縦型の組織も残っている。その意味ではこの考え方は本書におけるグリーンの段階だろうと思います。
そのことを御確認いただくために、Conscious Capitalismの査読を行ったときのレポートをご参考までに添付します。これは翻訳前のレポートですが今読んでも、本書の内容と(同書の欠点も含めた)ポイントは外していないと思うのでご覧になってみてくだされば大枠をつかめると思います。そして私が「かなりダブル」という印象を抱いた意味をおわかりいただけるかと存じます。
その上でReinventing Organization(以下「本書」)は組織形態のあり方としてさらにその先を行っている。
読み間違っているかもしれませんが、もはや資本主義かどうかということはこの組織形態には関係がないとすら思えました。日本人の読者が読んだときに、どこまでこれを「自分の問題として」読んでくれるかがポイントかな、というのが(『世界でいちばん・・・』ですら「理想論」「きれい事」という批判を受けてきた経験をした)私の今の直感です。
さて、明日からレポートを書き始めます。
お言葉に甘えて木曜日(30日)または遅くとも金曜日(1日)の完成を目指します(もっと早くということであれば仰って下さい。努力します)
本書の骨の部分はご紹介いただいたホームページの紹介でかなりコンパクトにまとめられているので、これをベースにTeal組織の特徴をまとめていき、後半では一つまたは二つの会社について触れようかなと思います。
なお添付のレポートは同書を3回読んで50時間ぐらいかけたものなので、私がこれから書く物はもっと大雑把なものになります点をご承知置きくださいませ。
では!
(引用ここまで)


で、その数日後に企画会議であえなく落ちた、という次第。本当に悔しかったです。その後何が起きたかは↓をどうぞ。

本当の目利き ー 『ティール組織』(原著)を発見した人 - 金融翻訳者の日記