昔だったら絶対に表沙汰になることのなかったであろう総合病院のリアルを取材したこの2番組は、本当に衝撃的だった。
その辺のブラック企業など足元にも及ばないほどの重労働環境、医療ミス、看護師の大量退職、医師同士の言い争い、医師の減少、「この病院にはできれば来たくなかった」と打ち明ける緊急搬送された患者の声……。対応しなければならない患者があまりに多いため、患者を「人間としてではなく病気として見てしまう」自分に苦悩する、まじめで誠実な若手医師の姿もあった。そして、それだけの患者を受け入れてなお改善しない慢性的な赤字体質――見ていて痛々しくなるほどの現実が、カメラの前にあらわにされていた。
事例として紹介された2つの病院(いずれも実名で出演)の院長たちは、正直に言って経営者としてはかなり「頼りなく」映った。しかし、病院の評判に傷がつくリスクを承知の上で、あえて自分たちのそのままの姿、いわば”生き恥”をカメラの前にさらし、医療が抱える問題を社会に訴えようとした。その覚悟と決断には、心から敬意を表したい。両病院に情報開示を納得させたNHKにも拍手。