金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「何ができるか、できないかではなく、何をしたいか、どうありたいかに重心を移せ」:11月2日 に出会った言葉

(1) 2020年11月2日
「なるほど、そういうことか……」は、物事の具体的な細部の記述から採集されることがほとんどだからである。本質は細部に宿り、細部にこそ現れる。俯瞰的な概論をなぞっているだけでは、なかなか得心に至らない。
(楠木健著『室内生活 スローで過剰な読書論』晶文社p357)
*最近、「総合的、俯瞰的」ということばをよく耳にしていますが、著者はそれでは本質に迫れない、と。昨年末に出た本ですが、ちょうどタイミングがよいと思ったので。 

(2)2019年11月2日  
いい加減な言葉は人類に発達をもたらした。
坪内稔典「半歩遅れの読書術 ― 言葉はなかなか伝わらない……いい加減さの先に広がる共感」本日付日本経済新聞読書欄)
今日の言葉:いい加減な、多義的な、曖昧な文章ほど面白い、とおっしゃっている。この文章の前の段落で、「いい加減さがたっぷりとある社会、それは創造性に富む豊かな社会だ」とも。味わい深い文章だ。

(3)2018年11月2日 
手塚治虫は)アシスタントたちを片っ端からつかまえ、こうも聞いたという。「どうだ、おれの絵、このごろどう思う? 古くないか? マンネリか? 見飽きたか? はっきりいってくれ、おれの絵はもうおしまいなのか?」。
天声人語 2018年11月2日付朝日新聞より)

(4)2017年11月2日 
何ができるか、できないかではなく、何をしたいか、どうありたいかに重心を移せ
(岡本太郎さん 2017年11月2日付朝日新聞「折々のことば」より)