金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「日経『経済教室』の用語ミス――オフショアリングとリショアリング」( 2026年4月17日)

本日付の日本経済新聞「経済教室」に、次のような記述があった。

(引用ここから)
経済安全保障の実現では、生産や研究開発の拠点を自国に戻すことも重要な手段です。これをオフショアリングといいます。しかし、サプライチェーンを自国で完結させることは困難です。そのため、より現実的な手段として、重要な資源の供給元を懸念国から信頼できる国に移すことも、もうひとつの重要な方法です。これをフレンドショアリングと呼びます。

(「経済安全保障の現在地(5)足並みが乱れる『同志国』」2026年4月17日)
(引用ここまで)

これは用語としては逆である。

オフショアリング(offshoring)とは、生産・業務拠点を海外に移すこと。
リショアリング(reshoring)とは、海外に出した拠点を自国に戻すこと。

したがって、「自国に戻す」という文脈で「オフショアリング」を使うのは誤りであり、ここは「リショアリング」または「国内回帰」とすべきだろう。

もちろん、うっかりした用語の取り違えは誰にでもある。だが、経済安全保障のように関連用語の整理自体が重要な主題で、この取り違えは小さくない。読者の混乱を避けるためにも、早めに訂正されるのが望ましい。