金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「うらやむこと」「ねたむこと」:5月20日に出会った言葉

(1)2019年5月20日  
……あくまで私の個人的意見だが、次の三つの理由から「政治にコミットする知識人」に双手を挙げての賛成はしかねる。
 第一に、政治的意見を表明する学者は、たちどころにレッテルを貼られることになる。……政治にコミットして色眼鏡でみられるようになったら、その学者の真意は伝わらなくなり、良識ある議論に参加することもできなくなってしまう。
 第二に、政治にコミットすると、思想の自由を失うリスクにさらされることになる。……政治に深入りしすぎると、同志やメディアをガッカリさせまいとして、一度表明した自分の立場に固執せざるを得なくなる、ということだ。
 第三に……学者と政治の関係もすんなりといかない。……学者の役割は、既存の知識を分析し、完全に自由に、短い期限に制約されることもなく、新しい発想を提案することだ。これに対して政治家は、有権者の審判という圧力に絶えず直面しているため、すぐさま結果を出す必要に迫られている。……学者には思考の手段を提供して政治家の意思決定を助ける義務があるとしても、彼らに代わることはできない…。
(『良き社会のための経済学』pp95-96)

(2)自分より上の人を「うらやむ」のは「自分をその人の位置まで高めたいと思う」こと。「ねたむ」のは「その人を自分の位置まで落としたいと思う」こと
(本日付朝日新聞 折々のことばより)