金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「政治家のモラル」:出会った言葉:3~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(253)

(1)2年前の今日
――是枝作品はよく「俳優が演じていないように見える」と評される。
是枝:隠し撮りしているわけではないので、ナチュラルと言われると、違和感がある……
「それまで」と「これから」が凝縮された瞬間こそが、リアルな時間だと思う。それを徹底的に追っていくと、一見ナチュアルに見える。人生がちょっとだけ切りとられているように見える。
(「俳優の真実とは? C・ドヌーヴ×是枝裕和対談 「演じる」は「遊ぶ」 現場でつかむ人生」2020年4月13付日本経済新聞

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(2)4年前の今日
日本でも昔は、いまほどひどくなかったのではないか。戦前の首相広田弘毅を調べた作家城山三郎氏によると、広田首相は自分の家を売り藤沢に移ろうとしたとき、その買値が周囲の相場より安いと聞いて、これを断ったそうだ。「総理大臣」であるために割安な値で土地を手に入れることを潔しとしない、という政治家のモラルがあったのである。
(深代淳郎「政治家と政治屋」1974年2月13日付朝日新聞『深代惇郞の天声人語』p81より)

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