金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「11点」取れない翻訳(負けは負け②)

たまたま今訳している文章に

When the new Governor Mark Carney arrives....英中銀は金融緩和政策に乗り出すかも。

てフレーズがある。

この時に(文脈の問題は無視できないんだけど・・・)

(A)「マーク・カーニー新総裁が就任すると・・・」と訳すか。

(B)「7月にマーク・カーニー次期総裁が就任すると・・・」と訳すか。

(A)はちょっと日本人の読者には足りないと思う、9点の答案。すでに黒田新総裁が何月に就任したかがあやふやな日本人は多いはず。ましてや英国をや、です。

ぼくなら(B)にする。そして「日本人の読者の読者にはタイミングがわからないので『7月』をいれました」とコメントする。

日本の読者と英国の読者との間の情報の差は埋める必要があると思うからです。

一見小さな事なんだけど、そんな差が積み重なると全体としてのパフォーマンスは大きく差が付く。そんなことかもしれない。

忘れないようにと思ってメモしておきます。

負けは負け(翻訳者の実力不足と飜訳会社の怠慢②) - 金融翻訳者の日記