金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

翻訳する時の姿勢の変化(10年でようやく気づいたこと)

10年やってきて自分の進歩の遅さにもどかしい思いをすることが多いのだけれど、時たま感じるのは、最近は

「この筆者はこの表現を通して何を言いたいのだろう?それをどう日本語で表現すれば筆者の意図を日本語の読者に伝えられるだろう?」

という意識で翻訳をしている自分に気づいた。昔は、

「ここに書いてあることは、日本語でどういう意味なのだろう?」

という意識の方が強かった(と思う)。

この3週間ほどの間にある翻訳会社からトライアルの審査を依頼されて「英語を単に日本語に置き換えようとしているだけの」日本語を立て続けに読まされたからそう思うのかも。もちろん今述べたことは産業翻訳での話。文芸翻訳では常識的な姿勢だと思う。その意味では10年たって、産業翻訳に対する私の姿勢が、文芸翻訳に少し近づいたのかも。