金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「自分が理解した内容を、自分が最もわかりやすいと思う日本語で」(村井章子さん):7月13日に出会った言葉

(1)2020年7月13日 
(72歳の島田謹二教授は)おそらく、その場に居合わせたどの若い学生よりも若々しい情熱に燃えておられたと思う。ご自分の学問、研究、思想を若い私たちにぶつけずにはいられない一途な情熱に。そして相手が、それを受けとめる能力があるかどうか疑ってみる余裕もないほどに。
(森田清子「島田謹二先生の講義―文学が息づく時」南伸坊監修『私が聴いた名講義』(一季出版)p289)
*島田先生は、「教える技術」は足りなかったかもしれないが、それを凌駕する自分の学問に対する情熱があったのだと思う。

(2)2019年7月13日  
明治の訳では誰にでもわかる形に訳者が落とし込み、大正の訳では、誰にでも分からないかも知れないが日本が列強の一国であるためにはこれくらいわかるべきなんだというところに落とし込んでいる。
(「『本当の翻訳の話をしよう』p91。柴田元幸村上春樹著、スイッチ・パブリッシング
*僕が最も見習いたいと思っている村井章子さんは、「自分が理解した内容を、自分が最もわかりやすいと思う日本語で表現する」とおっしゃっていた。『良き社会のための経済学』なんて、最初から日本語で書かれたような素晴らしい日本語です(だから日本語だけで読んでいる・・・実は原語はフランス語なのだ(汗)・・・)文芸翻訳は違うと思うんですが、僕は基本的にこの姿勢。語順は基本的に無視。ただしそこにメッセージ性を読み取れた時のみ重視しています。

(3)2018年7月13日 
私なりにこれまでにいろんな英語教育関係者や英語のできる人に会ってきたが(最高峰は國弘正雄先生だと思います)、およそ英語ができる人で「スピーキング中心に!」などと言っている人には会ったことがない。リスニングは骨が折れる努力が必要。これは國弘正雄先生も言っている。私も痛感している。
(林剛司@Haya_Takeさんの昨日のツイッターより)