本日の日本経済新聞に、
言語の本質問う好機 AI翻訳時代の外国語学習考える5冊
立教大学教授 山田優(今を読み解く)という大変興味深い記事が掲載されました。
その中で、
「西山聖久『理工系のAI英作文術』(化学同人・22年)は、そのタイトル通り、理工系の学生がAI翻訳を使って論文を執筆するための実用書だ。学生が英語で論文を書けない理由が、学生らの英語力ではなく、母語(日本語)での論理的な思考力の不足にあることも多い。であるならば、英語の執筆はAI翻訳に任せてしまったほうが効率的であり、学生は簡潔かつロジカルな日本語の文章を書くことを学んだ方が良い」(山田さんの下の記事より)は慧眼だと思います。
私は、本日の日経記事はAI翻訳の方向性についての本質を突いていると思います。AI翻訳をDeepL等の翻訳アプリと捉えるのではなく、「むちゃくちゃ頭がよいけど、今のところは日本語がやや苦手な、しかし最高の翻訳アシスタント」として研究者の皆さんはどんどんお使いになり、世界で活躍されることを望みます。
なお、その他に紹介されていた4冊は以下の通りです。
隅田英一郎『AI翻訳革命』(朝日新聞出版・2022年) 鳥飼玖美子・斎藤兆史『迷える英語好きたちへ』(インターナショナル新書・20年)
川添愛『ヒトの言葉 機械の言葉』(角川新書・20年)
今井むつみ・秋田喜美『言語の本質』(中公新書・23年)