金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「カネのことをあれこれ思案するのは、いつだってひとつの作品を書き終えたあとのことなのだ」:6月2日に出会った言葉

(1)2021年6月2日
「たとえば避難所に100人の人がいて、ある方法で99人がポジティブになったけど、一人はうまくいかないとする。そのとき、その一人を無理矢理99人に引っ張ってくるのではなくて、その一人に寄り添う」(ドラマ「心の傷を癒やすと言うこと」脚本担当 桑原亮子さん。柄本佑さんのセリフ「(心のケアとは)誰も独りぼっちにさせへん、てことや」について)(安克昌著『心の傷を癒やすということ』(作品社)p450)

(2)2020年6月2日
「何をやってもいいし、いつも楽しいけれど、ある水準以上の人間性や技術を宿していなければ、ここにはいられないよ」。そういう暗黙の了解もある。この雰囲気がいいんだよなぁと思って仕事をしていました。
(斎須政雄著『調理場という戦場 斎須政雄』(朝日出版社)p110)

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(3)2019年6月2日
やむを得ない事情のひとつやふたつは誰にでもある。それでも、物事を変えることはできる。すこしの幸運はたしかにあったほうがいい。だけど、それは必要不可欠のものではない。
(「九十九の憂鬱」 東山彰良 2019年6月2日付日本経済新聞最終面)
*今日の東山さんのエッセイでは、次の一説にも共感した。「カネのことをあれこれ思案するのは、いつだってひとつの作品を書き終えたあとのことなのだ」。

(4)2018年6月2日
外国語をめぐる日本の状況にはチクリと皮肉もきかせる。「英会話に熱心な人は英語話者のいうことに従順」と言われれば、ぎくりとする人もいるだろう。外国語を「武器」に例える風潮について、「ロシア語を教える自分が『死の商人』みたいで嫌な気分になる」とも。
(「『物語を忘れた外国語』 黒田龍之助著 遊ぶほどに面白くなる道具」2018年6月2日付日本経済新聞読書欄)
(参考)

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