金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「古いものを買うということは、すなわちそれを思う自分を買うこと」:8月18日に出会った言葉

(1)2020年8月19日  
The little guardians of so-called law and morality, the newspapers, the preachers, the police, and the public moralists generally, so loud in their denunciation of evil in humble places, were cowards all when it came to corruption in high ones. They did not dare to utter a feeble squeak until some giant had accidentally fallen and they could do so without danger to themselves. Theodore Dreiser, The Financier) (法と道徳のちっぽけな「擁護者」、つまり新聞、牧師、警察、社会道徳評論家等々、下層階級の悪を糾弾する場合にはあれほど声を大にするくせに、問題が上層部の腐敗ということなると、そろって腰抜けになるのだった。だれか巨人があやまって自分で倒れてしまい、やっても身に危険はないというときまでは、チューとかすかに鳴き立てるだけの勇気もないのだった)
(佐々木高政著『新訂 英文解釈考』(金子書房)p23)

(2)2019年8月19日  
情報は操作されるものであり、思考停止しないで常に疑ってかかる―。情報を伝える側にも受け取る側にも必要なことだ。
(「散るぞ悲しき」の教訓、今に その情報は正しいか― 論説フェロー 芹川 洋一 2019年8月19日日本経済新聞

www.nikkei.com

(3)2018年8月19日  
重要なのは「歴史に学ぶ」ではなく「歴史を学ぶ」である、と呉座さん。歴史的事実は、常に覆され、更新されていく可能性をはらむからだ。「複雑な資料を読み進めながら、仮説を立て、調べ、資料の真贋を見定め、事実と言える程度にまで自分で高めていく。こうした歴史学の手法は、現代の情報社会を生きる上で重要になりつつあると思う」
陰謀論隆盛「歴史に学ぶ」に警鐘 日本史学者 呉座勇一さん 文化・文芸 2019年8月19日付朝日新聞朝刊29面)

(4)2017年8月19日 ①
古いものを買うということは、すなわちそれを思う自分を買うことだと聞いたことがある。
(『古本の時間内堀弘 (昌文社)p28) 

www.shobunsha.co.jp

(5)2017年8月19日 ②
からうじてわがものとなりし古き書の表紙つくろふ秋の夜の冷え 佐佐木信綱 
(『続 折々のうた大岡信 p121)
古いものを買うということは、すなわちそれを思う自分を買うことだと聞いたことがある。
(『古本の時間内堀弘 (昌文社)p28)
*昨日、違う場所で拾った言葉を二つ並べてみました。