金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「力の強い者は弱い者に対して、自分の潔白をすすんで明らかにする道義的責任を常に負っている」:12月10日に出会った言葉

(1)2019年の今日

「私どもの『のりたま』は来年発売60周年」 丸美屋食品 阿部豊太郎社長
(「男はつらいよ」50周年 特別インタビュー 12月7日朝日新聞広告)

「あ、俺様は『のりたま』と同じ年齢なんだ」と何やら感動してしまった広告。
ちなみに「大戸屋」(本日の「ガイアの夜明け」で取り上げられる層です)は僕より2歳下。寅さんは10歳下。そう考えると人の(というよりか、僕の?)人生って「歴史」だなあという気もする。

(2)2018年の今日
力の強い者は弱い者に対して、自分の潔白をすすんで明らかにする道義的責任を常に負っている。
(「万事の元」『深代惇郎天声人語』(朝日新聞社)p94)

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(3)2017年の今日
人間は褒められることがうれしいし、頑張った仕事で結果を出せれば、もっと木の上に登りたくなる。でも、もしそれが無理している状態ならば・・・そう気づいたら下りてきて、また惹かれる木に登り直せばいい。
細野晴臣「仕事力 ― 無理に心をせきとめない)」2017年12月10日付朝日新聞

(4)2016年の今日
天声人語』は長年の伝統で、改行しない。改行すべきところには▼印がくる。一遍は原則として5個の▼印をもって構築される。いわば飛び石づたいの文章だ。
 論説委員室のOBと現役とが、年に1回、食事をともにすることになっている。去年(昭和50年)の夏の会合で、深代君が自己紹介をかねて、次のような趣旨のあいさつをしたのを、私は覚えている。
 「ゲラ刷りをみて、飛び石のかっこうが今日はよかったとか、悪かったとか、思っています。ちかごろ、何事によらず、5つの飛び石で物を考えるクセがつきました。そのために私の考え方が固定化するようなことがあってはならないと、反省しています」と。
 深代君はきびしく自分自身を見つめていたのである。最善を尽くしつつあるという自負もあったに相違いない。その半面、思考がマンネリズムにおちいってはならぬという自省が強く働いていたのであろう。(引用終わり)
「あとがき」朝日新聞論説委員 森恭三『深代惇郎天声人語』(朝日新聞社)pp359-360