金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「表参道のYK屋 激辛担々麺の試し方」(YK氏主催の翻訳教室をラーメン屋にたとえると)

(*ワケの分からない方はどうぞスルーを)

某K究社編集部にお勤めのYK氏の「お教室」について私がここで色々と書くものだから、「行ってみたいけどコワ~い!」と踏み切れない人も多かろう。

そこで不詳この私が、自らの経験に基づいて特別に伝授しよう。

(1)開店したら目をつぶって注文する。
何しろ早い者勝ちである。半年に1度か2度しか開店しないので、そろそろ開店かな、というタイミングが近づいたら常に店の前から目を離さず、常連客からも情報収集し、「開店!」ときたらスケジュールを確認し、すぐに入店し、「激辛担々麺一丁!」と注文すること。

(2)「後悔したのは、君だけじゃない」
注文するとすぐに出てくる。一口食べる前に、見ただけでまずはこう思うはずだ。「注文しなけりゃよかった・・・」。そして次に「僕の好みじゃない」「僕の分野じゃない・・・」「やっぱり時間がない・・・」等々、箸をつけないための自己弁護が始まる。

各ジャンルのグルメという自負のある者ほどそう思うかも知れない。しかしそう思うのは君だけじゃない。恥をしのんで告白しよう。僕だってそうだったんだ。でも、あとで何人もの人から同じ感想を聞いたんだよ。

それを食えないと思うのは、君の好みでも、君のジャンルが違うからでもない。そもそも「味が分かっていないからだ・・・俺は似非グルメだったんだ!」まずはそのことを認めよう。謙虚な姿勢で麺とスープに立ち向かうのだ。

(3)苦しいのも、君だけじゃない
「いただきます」意を決して食べ始めても、噛んでも噛んでも味が分からん。食っても食っても終わらない・・・そんな局面に何度でも出くわすはずだ。しかしそう思うのも君だけではない。常連客も同じなのだ。

店主だって、「仕入れてみたけど・・・さすがにこりゃ分からん」なーんて素材だってある。でもそれは君が食っている時には分からない。食うのは1人だけの作業で、だれも助けてくれない。しかし完食した者だけが健闘を称え合う「補習」という名の「集いの場」に来れば必ず分かる。老いも若きも、アマチュアもプロも、初心者もベテランも、みーんな同じ思いと苦しみを味わっていたと言うことを。だから決してあきらめずに、自分でできる限りの努力をして、とにもかくにも完食して、「ごちそうさま!」とどんぶりを出すこと。

(4)店主は優しい
店主のYK氏はこの道30年、味と素材、そして自分の舌に対してとことんウルサく、しかし謙虚なプロフェッショナルだ。テナントのオーナーの経営危機を助けるべく表参道に開店してほぼ10年。相場の10分の1という超破格の値段も手伝い、常連客も着実に増えている。しかも常連客には他で担々麺店を開いている一流どころのシェフも多い玄人好みの店なのだ。

順番さえ守ってもらえれば一見さんもハッピーウェルカム。完食し、丼さえ出せばたっぷり2時間、補習も含めれば4時間ぐらいは担々麺道を聞かせてくれる。もちろん懇切丁寧な個人指導と、素材とスープ、味、常連客の上質コメントも満載の分厚い資料集も手渡してくれる。しかも酒好き。

もちろん、癖になるか、ならないかは君の好みだろう。

完食するかどうか、常連客の道を追うか、一見さんで終わるかは君のオウンリスクだ。

アマもプロも、是非一度お試しあれ。

・・・仕事せねば。