金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

締め切り日の誤解をめぐるこっけいな(?)やり取り(エッセイの分納)(2016年5月)

昨日は本来月曜日納品のエッセイ1本(約2500ワード)を夕方まで3分の2ぐらいざっと訳し、先方に電話。

「え~明日の分納ですが、3分の2ぐらいなら何とか・・・」
「え、鈴木さん、今日ですけど?」

「まさか・・・」と思って先方のメールを見ると「土曜日に・・・」と書いてある。エッセイの翻訳を分納なんて前代未聞で、その事情もわかってくれた上で受けた話は2日ほど前に書いた。

「え~、まさか。あ、ホントだ、あたし土曜日って書いている」「だって、電話しているときもその乗りでずっとしゃべってたじゃないですか~」「あ~またやっちゃった。あたしよくやるんです。金曜日のつもりで『土曜日』って書いちゃうんです~」

なーんて言われたって、土曜日でさえ無理があるのに、金曜日なんて完全な無理筋。それを申し上げた上で、

「今日出せってのは無理ですよ」「でも~」「まだざっと訳している段階で、訳抜けもあるかもしれないし疑問点もガンガン残ってますよ」「それでいいですから~」「今の段階で出せってのはですね、舞台上で着替えて、道具をバタバタやっているうちに幕があがっちゃうようなもので・・・」

「そんな感じですよね。もういいじゃないですか、鈴木さんとあたしの関係なんだから、ぜひ・・・」

て言われたってさ~。まだ知り合って3カ月なんだけど。と思いながら抵抗を試みる。

「・・・いや、むしろ朝起き抜けでお化粧もしていないのに宅配便が来ちゃったような・・・」「わかるわかる」彼女も元フリーランスの翻訳者。「まだパジャマ姿なのにつきあいの浅い彼がデートの迎えに来ちゃったみたいな」「ボタンが上から3つぐらい外れてるのに玄関開ける直前に気づいちゃったみたいな~」というくだらないやりとりがあった後、「それでも日本語で見ておきたい」という彼女の熱意に負けてパジャマ姿上からボタン1つはずれたまま(というより、「ズボンはいたけど社会の窓閉め忘れたみたいな」の方がよかったかな)の原稿を彼女限りで送った。

もちろん月曜日朝に最終的に仕上げたものをお送りする約束で。