2年前の本日にこんな記事を書いた。
チャットGPTを(産業)翻訳にどう生かすか?(1)( 2023年4月22日) - 金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger
チャットGPTによる翻訳チェックは、オプトアウトを設定すれば、現在ではかなり安全に実行できる。ただし、入力データは最大30日間システムに保持され得るため、完全な秘匿性が求められる案件では、伏せ字加工やローカルLLMとの併用が推奨されている点に留意したい。
英和翻訳に関しては、この2年間でチャットGPTの回答精度は(文字通り)驚くほど進化した。とりわけ日本語の表現力は、今やほとんどネイティブといっていい水準に達している。(「日本語は話せるが、表現の不自然なアメリカ人」といった印象だった当時とは、最も大きく異なる点かもしれない。)
さらに、優秀な生成AIの選択肢が増えたことで、複数のAIによるコメントを“対戦”させる手法によって、ハルシネーションのリスクを抑えつつ、評価の質を高めることが可能になってきている。
一方、和英翻訳については、まず生成AIに初稿を作らせ、それをAIの助けも借りながら人間が磨き上げていくというアプローチが、現時点では最も合理的だと考えている。自分の英文読解力の範囲内で、「読解・解釈・鑑賞できる」レベルの英語に整えていく、という訳し方だ。
もちろん、映画にたとえるなら、小津安二郎監督のように、仕上げに至るまでの細かなディレクションと最終確認は、やはり人間の手でなされるべきだろう。
これが、2025年4月22日現在の僕の結論だ。