金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

生成AIの文章は無難だがつまらない。

生成AIによる文章は、八方に気を配りすぎるあまり、角や癖、毒がそぎ落とされ、結果としてつまらないものに成り下がることが多い。これは、私がこれまで生成AIを翻訳に利用してきた経験から得た感想である。この傾向は、通常の作文にとどまらず、論文や会議の要約文にも表れるのではないか。だからこそ、AIが生成した文章は、あくまで人が大幅に改善を施すための素材として利用するか、部分的な表現の修正に限ってしか使えない。

人が読むものを製作する限りにおいては、その過程では非常に役立つ効率的なツールなのだが、仕上げには使えないということかと思う。

tbest.hatenablog.com

 

(後記)昨年8月24日に、 Facebookに次のような書き込みをしていた(「思い出」で1年前の記事が出てくる)

「Chat GPTによる校正は、論文や報告文、事務的な手紙には、文体を整理してくれるのでうまく機能するのだが、私的な手紙やエッセイを校正させると整い過ぎてつまらなくなる。最大公約数的な文章になるのでエッジが効かなくなるのだと思う。」

この直感は正しかったと思います。