(1)2020年6月25日
日本社会が単色に染まるなか、外からのまなざしを失わないことの大切さを思う。
(「天声人語」 2020年6月23日付朝日新聞)
本日の言葉:引用文は沖縄慰霊の日の天声人語。昨日はたまたま妻が新型コロナウイルスに感染した人々にインタビューした「クローズアップ現代」を見ていた。感染したら助けられなければならない人々が、周囲からはじき出された気分になるというのはどこか倒錯している。そう思いながら、自分の前に「今退院してきたばかり」という人が現れたら自分はどう対応できるだろう、そういうことを意識しておかないとつい自分も流されそうで不安になった。
(2)2019年6月25日
何か自分で行き詰まった時に、そこの行き詰まった場所だけ見ないで、ちょっと後ろ側から見てみるという、そのゆとりさえあれば、そんなに人生捨てたもんじゃないなというふうに今頃になって思ってますので。
(『樹木希林100の遺言』p71)
(3)2018年6月25日
「僕は意図的に長い文章を書いています。これは冗談で言っていたんだけど、ツイッターを140字以内ではなく、140字以上でないと送信出来なくすればいいんじゃないか(笑)。短い言葉で『クソ』とか発信しても、そこからは何も生まれない。文章を長くすれば、もう少し考えて書くんじゃないか。字数って大事なんですよ」
・・・中略・・・
「だって、世の中って分かりやすくないよね。分かりやすく語ることが重要ではない。むしろ、一見分かりやすいことが実は分かりにくいんだ、ということを伝えていかなければならない。僕はそう思っています」
(「世の中は 分かりやすくない」 是枝裕和監督インタビュー 本日付朝日新聞)
(4)2017年6月25日
「席」を同じうせずの誤解
誤読の原因は、「席」という時を「座席」と解釈したことにある。「席」は本来「敷物・ゴザ」を表し、ここでは「ふとん」という意味で使われている。
「男女七歳にして席を同じ失せず」は、男の子と女の子は七歳になったら同じ布団に寝かせてはいけない、と言う意味だった。
(「遊遊漢字学 阿辻哲次 本日付日経新聞)
参考までに、同じ文章の続きをコピペしておく。
「問題の文章は「六歳になったら子どもに数と方角の名前(つまり東西南北である)をおしえよ」とあるのを受けて登場し、七歳になったら「席を同じうせず」、そして十歳になったら「学校にいかせなさい」と続く。つまりそれは六歳から十歳までの成長に応じての育て方の一部であり、男女は別々のところで勉強すべきだ、という記述では全くない。そもそもこの文章では、七歳の子どもはまだ小学校に入っていないのである。
(中略 上の引用文が入ります)
「七歳」は数え年だから、現代式に考えれば満六歳前後である。子どもは一つの布団に寝かせるには大きくなりすぎているし、そろそろ性に関しても初歩的な知識と関心が芽生え出すころである。おませなこどもなら、いたずらをするかもしれない。だからそろそろ別々に布団を用意してやりなさい、という教えだったのである。
(引用終わり)
諸説あるでしょうが、この漢字学者はそう考えたというお話し。