金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「政府が明らかに“一線を越えて”独裁政権になる瞬間を特定することはできない」:2018~2020年の今日に出会った言葉:

(1)2020年の今日
① 彼らは、なし崩し的に平和がなくなっていった日々を経験していたから、とりわけ民主主義の力を強く信じた。棚の目立つところには、難しそうな社会科学書がたくさん並んでいた。
(『古くて新しい仕事』島田潤一郎著、新潮社、p172)
② だから、小さな本屋に並んでいるヘイト本というのは、少なくともその本屋の従業員が「返品しない」という判断を下した結果としてそこに存在しているわけです。
(『私は本屋が好きでした』永江朗著、太郎次郎社エディタス、p23)
本日の言葉:①の「彼ら」とは、「現役の書店主の体験ではなく、書店主の祖父や父親たち」だそうです。②は昨日購入した本から。まだ読み始めたばかりですが、たまたま今昔の比較ができるような気がしてメモしました。何とかならんかなと思いながら読み進めることにしたい。

(2)2019年の今日
 政府が明らかに“一線を越えて”独裁政権になる瞬間を特定することはできない。クーデターも起きず、緊急事態宣言も発令されず、憲法も停止されない。つまり、社会に警笛を鳴らすものは何もない。そのような状況下では、政府の職権乱用を非難する人々はときに、大げさだと笑われたり、嘘つきのレッテルを貼られたりする。多くの人にとって、民主主義の浸食は目に見えないものなのだ。
(『民主主義の死に方』レビツキー/ジブラット著、濱野大道訳、新潮社、p23) 

(3)2018年の今日
 楽しそうな人生ってよく言われます。でも何度も死にそうな目にあいましたね。結果的に生きているから面白いけど、必死でした。
椎名誠「人生の贈り物」2018年1月22日付朝日新聞