今朝、ゴミ袋を持って散歩に出ようと階段を降りていくと階下のTさんの奥さんがちょうど玄関の鍵を閉めているところだった。
「おはようございます」「おはようございます」
彼女は右手に僕よりも大きいゴミ袋を、左手に小さな杖を持っていた。
「お持ちしましょうか?」「あぁ、大丈夫ですよ」。
「いえいえ、僕持てますから」と手を出しかけたが、もしかしたら親切の押し売りになるかもしれないとの思いが頭をかすめる。何しろ僕の申し出は「お宅の家庭ゴミを持って行ってあげましょう」ということになるからだ。
もしかしたら、かえって迷惑かもしれないと思ってそれ以上は言わずに会釈して通りすぎ、マンションのゴミ置き場にウチの分を置くと、すぐ後ろをその方がついてくる
「どうぞ」と言って入り口を開けておくまでが僕にできたせいいっぱいだったな。
難しい判断だった。