金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「誤訳とは……訳語の主観的選択の適否といった次元のものではない」:2018年~2019年の今日に出会った言葉

(1)2019年の今日
 「真理とは方向感覚である」鶴見俊輔
(哲学者 鷲田清一梅原猛さんを悼む」 2019年1月16日付朝日新聞文化/文芸)
*本日の言葉は、梅原猛さんについて「論争の人ではあったが、相手をこき下ろすことはなかった」と指摘した後で、その論争相手の一人であった鶴見さんの感覚を梅原猛さんが共有していた、と振り返る鷲田さんの文章から。別の追悼文によると、最晩年には白川静さんの生き方を志向していたそうです。

人類の来し方行く末、最後まで 梅原猛さんを悼む 哲学者・鷲田清一:朝日新聞デジタル

(2)2018年の今日
・・・つまり「誤訳」とは、原文の語句・構文や意味内容についてのはっきりとした、誤った解釈に由来するものをいうのであって、訳語の主観的選択の適否といった次元のものではない。
(「疑似誤訳と正真誤訳」『誤訳の構造』p10 中原道喜著)

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