金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「「構造を造る作業」……は頭の中で行うしかありません。」:出会った言葉(昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(152)

(1)昨年の今日
「構造を造る作業」、「組み上げていく作業」、「論点を整理する作業」……は、頭の中で行うしかありません。
これを自動的に行うような仕組みは存在しません。将来もできないでしょう。
野口悠紀雄著『書くことについて』(角川新書)p146)

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*本日の言葉は、バラバラに思いついたアイデアを「読みやすい文章」にするための方法を述べている。本書は頭の中にボヤッと浮かんだアイデアを即座に把握し、記録し、まとめて、整理して文章にしていく過程について、IT機器を駆使しながら読みやすい文章(やそのまとまりとしての)やレポート、書籍にしていく過程を細かく説明してくれる本で、参考になることも多い。その一つが引用文。つまりどんなに道具を駆使しても「この作業」は自動化できない。それ以上にアイデアを思いつくことは自分にしかできないと書いてある。ただ、これだけのシスティマティックな方法は野口さんほど頻繁かつ大量に情報発信をする人向けで、私にはレベルが高すぎるような印象。

(2)3年前の今日
「全自動忖度機」  私家版・今年の新語大賞
……忖度は本来、他人に思いをはせ心中を推し量ると言う正の想像力を意味するが、それが組織人の悲しいまでにいじましい負の習性を意味するものにずれた。

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(3)4年前の今日
一語一語の解釈に混乱しながら、自分なりの絵を浮かべものです。言葉というのはその転換の作業が必要で、それがいちばんの魅力かもしれない。
NHKザ・プロファイラー~夢と野望の人生~「“時代”と闘い続けた作詞家~阿久悠~」から。少年時代、結核にかかり、病後に辞書に夢中になった時代を振り返って)