金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

人は「違和感」には気づきやすい:9月19日に出会った言葉

(1)2020年9月19日 
現在(で)は矛盾した要求と考えられるものを克服することが、技術の本当の目標でなければなるまい。1975年3月18日
(『最後の深代淳郎の天声人語』「技術の目標とは」p77)
*引用文は今から45年前。新幹線のもたらす騒音問題を敷衍した深代さんの結論。ESGをも包含した問題の本質にすでに到達しているとはさすがだ。 

(2)2018年9月19日 
 人は「違和感」には気づきやすいが「調和」とは何をなして感じられていられるのかは分かりにくいものだ。人には「いい」と感じる感覚器が備わってはいるが、「なぜいいか」とはあまり考えない。これを絶え間なく考えているのがアーティストとサイエンティストだ。
深澤直人「解明がせまっている」『文學界 2018年10月号』「平野啓一郎の世界」p59)

(3)2017年9月19日 
わかりやすさ、正しさ、そして受け止める人への気遣い。翻訳とは、かくも繊細なものか・・・最近はどうも翻訳の努力が足りないようだ。・・・意味をあいまいにし、ごまかすために使われるのでなければいいが。
(2017年9月19日付朝日新聞天声人語」より)