金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

東京パラリンピックのデイリーハイライトを毎日見て。

東京パラリンピックのデイリー・ハイライトを毎日見ています。自分の偏見もあったのかな、日々様々な発見がある。たとえばパラリンピックに知的障害の部(自閉症など)があるなんて知らなかった。「ボッチャ」の試合も初めて見たし、「ゴールボール」の存在すら知らなかった!

それと、パラリンピックに出る方々って元々身体に障がいをお持ちなので、どの競技に参加していても「この道一筋」ではない。だからこそ競技に対する向かい方が人によって異なっている。「何が何でも金メダル!」と考えて渡米して研究する方と「自分が出ることで障がい者に対する偏見を取り除きたい」と日々は講演活動に力を入れている選手が同じ種目で争うなんてこともある。「こういう種目があることを多くの人に知ってほしい」という選手も。

デイリーハイライトで紹介される「大会までの道のり」もオリンピックとは趣が異なり、自らの障がいとどう向き合いながら練習を積み重ねてきたか、あるいは自分をサポートしてくれるコーチやガイド(視覚障害の方と一緒に走る方)との関係等々・・・毎日反省と勉強と感動です。

さて、一昨日のハイライトを見ていて初めて気がついたのだが、僕はフィギュアスケートと新体操、女性の体操以外の「レース」で女性の実況中継初めて見た。「あと何メートル、〇〇選手、メダル近いぞ、頑張れ、頑張れ―!!」という男性張り(?)の実況を聞きながら、若干の違和感を覚えた。

それは、僕が女性実況中継のアナウンスに慣れていないということかもしれないが、もう一つの考え方として、「女性なりの特徴を生かした実況中継」というのもありなのではないかと思った。それが何かは分からない。「女性なりの絶叫」かもしれないし「女性なりの静かな、落ち着いた実況」かもしれない。

いずれにせよ、オリンピックに比べると注目度の低い(民放ではやっていませんから)NHKの放送枠の中での試行錯誤の一環(実験)として、これまで男性アナウンサーによって確立されてきた競争型スポーツ実況放送のあり方というものが今後模索されていくのかもしれない。

女性によるスポーツ実況放送。新時代を見据えた素晴らしい取り組み(僕の勘違いで、他のスポーツや局ではすでにやっているのかもしれませんが)に期待したい。

(念のため:僕は東京パラリンピックの開催には今も反対ですが、開催されている大会に参加している選手、サポーター、医療関係者等この大会の運営に関わっている皆さんを応援したい、拍手を送りたいという立場です)。