昨日は半日自動翻訳シンポジウムに参加しました。
「AI翻訳で言葉の壁がない世界へ:生成AIとAI翻訳-自治体での活用」
東京科学大学の岡崎直観先生による「大規模言語モデルはどのように言葉の壁を超えるのか」の話の前半がDeepSeekの衝撃に対するコメントに充てられるなど、AI翻訳をめぐる最先端の話を聞けたのは大きな収穫でした。また、機械翻訳ツールと人間のハイブリッド対応で増加する外国人に試行錯誤対応する企業と地方自治体の地道な姿勢には感銘を受けました。ただ、訪日・在日外国人のニーズは日々変化しているはずで、自動翻訳システムに用いられるデータベースも随時メンテナンスしておく必要があるだろう。コストとの見合いでそれをどう解決しているのかな、と思いました。
その一方で、「○○市の機械翻訳は『暮らしの手順』をDark Proceduresと訳しているんですよ(『くらし』を『暗い』と解釈してしまう)」という話を登壇者が紹介し、聴衆の笑いを誘っているシーンには驚いた。「…この話には目を見開かされました」と語った理事長の挨拶は外交辞令としても、このレベルの話が翻訳関係者の間で「受けている」事実は「うわ、今は20年前か!」と思い、背筋が寒くなりました。
「情報格差」「学びの格差」が広がっている実態を、ひとつの会場内で実感した次第です。講演で示された資料をもらえなかったのは残念でした。
展示会場の内容を見て、自動翻訳に関する今の最先端のレベルを確認できたのも収穫でした。