金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

ネイティブ翻訳者とは?(2021年1月)

英語関連の翻訳の場合は、主に日英(日本語→英語)翻訳の分野で「ネイティブチェック」とか翻訳会社の求人広告で「ネイティブ翻訳者に限る」という場合には要するに英語のネイティブ翻訳者のことを言っているが、業界では結構曖昧に使われている模様である。以下は僕が考える「ネイティブ翻訳者」の定義です。

ネイティブの和英(日本語→英語)翻訳者とは、簡単に言えば、英米語の「現地校」で基礎教育を終了した高校卒業程度の学力を持つ人のこと。

もっと詳しく言えば「人種や国籍、出生地等に関係なく、小中高のうち10年程度を、英語を第一言語とする国の政府が公認した英語を第一言語として初等中等教育を施す学校に通い、小中高のうちいずれか2つを卒業し、かつ任意の政府が公認した高校卒業相当の学力を持っている方」と考えています。経験的にはこれでまず間違いないと思います(「10年程度」と書いたのは家庭の事情等で外国に住むこともあるかもしれないのでそう書いたまで。要は「小中高12年のうち大部分」とお考えください)。

要するに、基礎教科や生活用語についての語彙を身につけた人という意味。こういう語彙は大学とか大学院に行ってからでは身につけにくい。
「基礎教科の用語」とは、日本語の日常会話の中で「四捨五入」「台形」(算数)とか「飽和」「発芽」(理科)とか「公害」とか、学校で学んだときは「こんなの覚えても役に立たない」と思っていた用語類。
「生活用語」とは「雑談力」と言ってもいいかもしれない。友達や先生と授業時間以外で話す中で身についていく言い回しや用語だ。「小学校の時、こういう歌が流行ってたよね~」といったことも含まれる。同世代の人たちと話せる語学力というか、現地の常識というか。こういうものは現地校に通わないと身につかないと思う。ネイティブ翻訳者はこれが体に染みこんでいるから引き出しが多いというのが僕の仮説というか、体験に基づく実感。

この基準に照らすと、インターナショナルスクールに通っていた方は「ネイティブスピーカー」に入りません。こういう方が例えば日英の翻訳者として使えるかは別の基準で考える必要があるとは思いますが、少なくとも英語力に関しては(ネイティブスピーカーとしては)あまり当てにならないというのが僕の印象です。