金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

AIは「意味」をどこまで「理解」しているか?(4年間での進歩)(2023年5月6日)

2019年のブログで次の日本経済新聞の記事を引用した。

(以下引用)
「AIがすべてのことをなすには時間がかかるが、現時点で翻訳力は非常に驚くべきレベルだ。とはいえ、機械はまだものごとの『すべての』意味をわかっているわけではない。『いくつかの』意味を分かっているだけだ」
――どんな限界があるのでしょうか。
「例えば『トロフィーがスーツケースに収まらない。なぜならそれは大きすぎるからだ』と言う場合、『それ』はトロフィーだ。『トロフィーがスーツケースに収まらない。それが小さいので』といえば、『それ』はスーツケースだ。大きなものを小さなものにいれられないという理解がないと翻訳できない」(引用ここまで)
(「AIの不安、第一人者の答えは(時論) 」ジェフリー・ヒントン氏 トロント大学名誉教授 2019年7月4日付日本経済新聞

AIの不安、第一人者の答えは(時論) - 日本経済新聞

上の記事が2019年7月だ。あれからほぼ4年がたった。AIの「理解」はどこまで進んだのだろう?と思いチャットGPTに上に当時紹介されていた質問をぶつけてみた。質問と答えをコピペする(2023年5月6日18時)

(質問)『トロフィーがスーツケースに収まらない。なぜならそれは大きすぎるからだ』という文章で、「それ」は何を指すか?
(ChatGPT)
「それ」は、「トロフィー」を指しています。文章全体の意味からすると、トロフィーがスーツケースに収まらない理由は、トロフィー自体が大きすぎるためであるということを表しています。

(質問)
『トロフィーがスーツケースに収まらない。それが小さいので』の「それ」は何か?(ChatGPT)
「それ」は、「スーツケース」を指しています。文章全体の意味からすると、「トロフィーがスーツケースに収まらない。それが小さいので(トロフィーが大きすぎるため)」ということを表しています。(ここまで)

お見事だ。

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