(1) 2019年9月5日
かつてあったものがなくなってしまったときに、寂しさが生まれる。だから、人は寂しさを「埋める」ことを考える
(重松清作「ひこばえ」2019年9月4日付朝日新聞小説から)
今日の言葉: 新聞小説の一節から。この後に、「それをうまく埋められる人もいるけれど、そうでない人もいるんです・・・」と続く。ここに至ってようやくこの小説の重要テーマの一つが寂しさであることに気がついた。結構長い小説の、ここまでのストーリーが伏線だったことを知った瞬間。
重松清の小説をちゃんと読むのは初めてですが、読んで良かった。
ひこばえ (上) | 重松 清 |本 | 通販 | Amazon
(2) 2018年9月5日
正直だとか相互扶助だとか「きれいごと」は永遠に実現しないかもしれない。でも誰だって胸張って「きれいごと」を言っているわけではない。その裏にはうしろめたさや羞じらいが貼りついている。それが文化というものだと、文筆家(平川克美)は言う。「この自覚が自らの欲望の歯止めになり、生活に規矩を与える」と。
(「折々のことば」本日付朝日新聞)
(3) 2017年9月5日
値札の向こうに一人一人の頑張りがある。想像力を失うまい。
(2017年9月5日付「天声人語」より)