金融翻訳者の日記

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「あって然るべき物がない」を指摘できるのがプロ:出会った言葉(昨年~4年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(33)

(1)昨年の今日
表層的理解はできるけれど、推論や同義文判定などの深い読解ができない場合、文章を読むのは苦ではないのに、中身はほとんど理解できていないということが起こり得ます。コピペでレポートを書いたり、ドリルと暗記で定期テストを乗り切ったりすることはできます。けれども、レポートの意味や、テストの意味は理解できません。AIに似ています。
(『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』p230 新井紀子著 東洋経済新報社
*今日の言葉:実は本書には、読解力をどう養うか?という答えは書いていない(と思う)。
「今のところ、『こうすれば読解力は上がる』とか『このせいで読解力が下がる』と言えるような因子は発見されなかったのです」(同書p223)。
ヒントらしきものは、筆者が自分の体験に基づいて書いた次の感想。「もしかすると、多読ではなくて、精読、深読に、なんらかのヒントがあるのかも。そんな予感めいたものを感じています」(同書p246)。さて?
な~んて考えていたところ、本日の朝日新聞朝刊22面に「読解力が未来を拓く」という「リーディングスキルテスト」(主催:代々木ゼミナール)の広告が載っていた。内容は代ゼミの理事長と新井紀子さんの対談。その中で、本書の反響について訊ねられた新井さんがこう答えている。
「教育関係者や保護者からは、『とても腑に落ちた』という声が多かったですね。今の子どもたちと接していて何か変だ、自分たちの世代とはどこか違うと感じていたことは、『読解力の問題』と考えると納得がいくと」
この発言は、昔の子どもたちには読解力があったのに、今の子どもたちからは失われている、と示唆している。
さて読解力を高めるための答えはどこにあるのか?ここまで読んだ僕の仮説は、「教科書の手書き写しと音読」ではないかと思うのだが。

(2)3年前の今日
理不尽なことがあって不平を言うのはいい。しかしそれきり行動しないのであれば同情しか買わない。あなたに本当にやりたいことがあるなら自分で考え抜き、人のアドバイスも聞きなさい。必ず扉は開かれる。
My Story東京理科大教授 黒田玲子氏 「右がだめなら左へ回る」2018年8月12日付日本経済新聞

(3)4年前の今日
「見えるものの中からとくに目立つもの」を指摘するのは、素人にもできる。しかし、「あって然るべきものがない」と指摘するには、対象に関する深い知識が必要である。だから、プロにしかできない。(『超文章法』野口悠紀雄 p23)