金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「出版後2年2カ月で実売数がようやく初版部数を超えたお話」(2016年7月)

昨日S社から「販売印税説明書」が届いた。

刷数
第1刷 5,000 (2014/04/17)
第2刷 1,500 (2014/07/25)
第3刷 2,000 (2015/03/05)
総印刷部数  8,500
既報告実売数 4,650
期間実売数      511
実売数      5,161部

そう、2年前に出した翻訳書の実売数がとうとう初版部数を超えたのだ。

そして、この5000部を超えた161部についての印税が支払われるとの通知もついていた(あまり外に出す数値ではないので、一応ここだけの話、ご参考ということで一つよろしくお願いします)。

「3年に1度ぐらいで重版になれば・・・」と当時の編集担当者の方から言われていたのが、思いもかけず日本経済新聞の書評欄で取り上げられて3カ月後に重版。

「これは大ヒット間違いなし!!!」と鼻息が荒くなる。ところが待てど暮らせど重版分の印税の払いがなく、9月頃に電話したら、「初版は刷数で印税をお支払するのですが、重版以降は実売数になります」じぇじぇじぇえええええええええ!と思って出版契約を見たらそう書いてあったので愕然とした話は当時書きました(私の契約先はこのS社以外は刷数で印税が支払われています・・・とは言っても重版なんてめーーーーーったになかったわけですが)。

その後半年ごとにくる「販売印税報告書」では、期間実売数と合計が出ていて、それが5,000にならないので、印税の「バランス」がずっとマイナスだったわけです。

出版から2年と2カ月で5,000部の販売。これでも恵まれた方なんでしょうねえ。今回初めて入ってくる重版分の印税2万数千円。これはこれまでとはまた違った感慨があります。

(後記)印税の支払い方は出版社によって違いがあり、いわゆる大手出版社は「刷り部数」(つまり増刷になればその分印税が入る)、そうでない出版社は「実売部数」のようです。確かに実売部数の方が合理的ではありますが・・・。当時そういった「常識」をつゆ知らず、出版契約もきちんと読んでいなかったので赤っ恥をかいた、というお話を書いた次第。6年たったのでもうよいと思い、公開することにしました(2022年7月31日記)。