昨日、息子(大学1年)は母校のインターハイ予選(団体戦)決勝の応援に行っていた。金曜日にベスト4に残っていた段階で、「明日は一人でも応援に行く」と言っていた。私が帰宅してもう寝ようかなと思った頃に帰宅。
「T高校、12年ぶりにインターハイ出場決定!」
と叫び、僕たちに優勝決定の瞬間の動画を見せてくれた。鬼のH監督がガッツボーズ、ベンチの学生たちと握手をしている30秒ぐらいの動画。
実は一昨日は関東学生リーグの入れ替え戦(1部~5部の各部の最下位とその下の部の首位が試合をする)もあったので、そちらに行かなければならない学生が多かった。ただし1部リーグの上位校の卓球部に所属している高校時代同期のキャプテンA君(H大)、1学年下のB、C君(M大)、D君(H大)は母校の応援に来ていた。準決勝からの全試合、応援しながらセットごとの結果を代わりばんこにLineで流し、最後は優勝決定の瞬間を添付していたとのこと。それを見たK君(N大、1部)から涙の電話があったらしい。
ちなみにA,B,C君は高校時代レギュラー。B,C君はダブルスで関東大会優勝。D君は個人でインターハイ出場。K君はレギュラーではなかったがダブルスで県大会2連覇している。我が息子はかろうじてベンチ。高3の春に出場した全国選抜大会で、義理で1試合出させてもらったのが団体戦出場の唯一の公式記録。個人戦の最高位はシングルス、ダブルスともに県ベスト8。普通の高校ならいざしらず、卓球名門校のT高では誰にも覚えられない平々凡々な記録である。今在籍する大学は4部だ。
さらに言っちゃえば、高校時代の部活動が本当につらかったらしい。部活動で頑張った連中のことを認めつつ「もう二度と母校卓球部には戻りたくない。応援も行かない。練習にも当然行かない」と言っていたのだ。
ところが1年浪人をして、C大学卓球部に入って3カ月、何が変わったのだろう?
「やっぱりああいう練習を強制され、それを自分で消化できなきゃ強くなれない」。一昨日の晩、僕が寝た後で妻に言っていたらしい。「あの練習が僕に合わなかったのではない。あの練習に合わせられなかった僕が悪い」と。卓球部から離れて1年以上たって「やっと気がついた」。事の是非はともかく、そういう心境らしい。
客観的に言えば、こういう土壌が部活動から体罰をなくさないのだろう。そんなことを思う。
「ちっくしょー、国体予選にエントリーしていなかった・・・」
どうせ1回戦か2回戦で負けるのだからエントリーしない、というのが、次男の在籍するC大学(4部)卓球部の常識。
「え、国体予選?H(息子のこと)なんで出ないの?全日本上位クラスと当たれるかもしれないのに、もったいない!」というのがA~D君たちの常識。
「試合のために授業を欠席?あり得ない」がC大学卓球部の常識。
「授業のために試合に出ない?あり得ない」がA~D君たちの卓球部の常識。
「おまえさ、(A~D君たちとは)もう住んでいる世界が違うんだよ」と私は言い、「わかってるよ」と彼は答えたが、どうも次男の卓球魂に(遅ればせながら)再び火がついたことは確からしい。
(後記)ななな、なんと今卓球協会に「国体予選に出たい」と折衝の電話をしとる!
(後記2)責任者に話をつけて、私の仕事場のファックスから申し込みしてしまった。・・・やる気になるとすごい、と我が子ながら感心した。
「次男の引退」(スポーツ強豪校に子どもが入るということ⑦) - 金融翻訳者の日記