日経新聞の書評欄見開きの左側上に『世界でいちばん大切にしたい会社』の書評が出た。超嬉しいです。
新聞の書評なんて出版社と新聞社あるいは書評者のコネで決まるのだろうと昔は思っていたのだが、「それが全くわからないんですよ。当然本が出れば贈るんですが」とは『ブレイクアウト・ネーションズ』の編集者の方から伺っていた。唯一の例外は朝日新聞だそうで、書評に出る前の週の水曜日か木曜日に朝日新聞のウェブに「今週の書評」として予告が出るとのこと。それ以外は全くわからないという。つまり本書の書評が出たことは、まだ編集者の方もご存知ないと思われる(臨月が近づいておられますので、まだ就寝中でしょう)。
昨年出た『ブレイクアウト・ネーションズ』は出版が昨年の2月下旬、日経に書評が出たのが4月下旬、朝日もその1週間後ぐらいだった。「だいたい出版されてから2カ月は見る必要があるでしょう」とも聞いていた。たしかに書評者にはありとあらゆる出版社から無数の献本があるはずで、それを整理するだけでも大変な作業。そこから選んでいくのだろうからそれくらいはかかるだろうとは納得できる。したがって仮に書評が出るとしても6月の下旬以降だと思っていた。だから今日もいつもの日曜日と同じようにお湯が沸くまでの間も何も期待しないで日経を開くと・・・・あった。
これは広告何回分の価値があるだろう?何しろ書評欄に出ると大手書店では「今週の書評」欄に平積みされる。つまり本の扱いが変わるのだ。
翔泳社の方針は「細く長く売る」とのことで新聞広告が出ないことは知っていただけに喜びもひとしおである(ちなみに『ブレイクアウト・ネーションズ』は出版日に日経の最終面に小さな広告が出ただけで相当の効果があった。メインの新聞広告はこの1回だった)。
とは言え油断は禁物である。
『ブレイクアウト・ネーションズ』は、新聞書評の後もいくつかの雑誌にも紹介されたがまだ増刷1回。8年前に出た『成長の賭け』なんか日経書評欄のトップに囲み記事で紹介されたのに増刷(初版5000部)にならなかった。出版業界は実に厳しいのだ。ただいずれも書評者は日経新聞の編集委員だった。同じ書評でも編集委員よりも書評委員の方がインパクト(書評の重み)は大きいとは聞いている。今回は小川進先生。イノベーションの権威だ。
ただ本書は市場ではなく、会社のあるべき姿を扱った「息の長い」本なので、本の存在が知られれば幅広く売れてくれるのではないかとスケベ心は広がる。「花子とアン」の花子の想像の翼のように。
ルンルンの気分です。「鈴木から金が取れるか!」と無報酬で解説をしていただいた野田稔さん、すぐにブログでベタ誉めしてくれた坂野 尚子さん、関係者の皆様、どうもありがとうございました。
(以下は書評です。有料記事です)
世界でいちばん大切にしたい会社 J・マッキー、R・シソーディア著
「意識の高い企業」の経営を紹介
(神戸大学教授 小川 進)
[日本経済新聞朝刊2014年6月1日付]