金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

産業翻訳者の陥りやすい罠(文芸翻訳教室で打ちのめされる)

昨日は夕方から金子靖先生の文芸翻訳教室に参加したが、見事に打ちのめされました。

テキストの読みのポイントは時制(過去完了形)と助動詞だったのだが、ものの見事に授業の狙い通り(あるいは先生のご期待通り)(?)読み間違っており、さらに全体の中での文脈を読めていなかった箇所が少なくとも2箇所はあった。

説明されればなるほどと理解できるのに、なぜ最初の時はそう読めなかったのか?ということを授業中もその後の飲み会の席でも考えた。僕の場合は、普段は訳す英文の前提となっている事実の確認と理解から入って英文を読む、あるいは英文を読みながら事実を確認するクセがついてしまったが故に、英文を前提条件なしに「書かれたまま」読む姿勢がいつの間にか失われてしまったのではないか?

例えば金利が上がったという事実とそれが有価証券資産市場にマイナス要因となるはず、という理屈を出発点にして英語を読む。もちろんその時には時制も助動詞も考えているけれども、「動かない事実」という大前提を出発点にしているので自然と英語の文法に対する感度が甘くなっているような気がする。

(後記)金子靖先生(研究社)の翻訳教室は現在も続いています。半年コース。申し込み開始から数時間(確か今回は2時間ではなかったかな)で満席になるので、最長2期までしか参加できません。ただし、2期参加者はOBOGによる勉強会が開かれており、金子先生から教室で使った教材および授業を無料で配信してもらっています。僕はこの勉強会に最近なかなか参加できず焦っている(2021年5月29日記)。

【4 / 26~ 9/28】KOD(研究社オンライン辞書)を使った翻訳演習 第19期 講師:金子靖(研究社 編集部) – 青山ブックセンター本店

文芸翻訳の難しさ - 金融翻訳者の日記