金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「知床旅情」は森繁久弥さんの即興

出会った言葉:
(ここから)
あの名曲「知床旅情」はこの映画の宴会シーンで森繁さんが即興で作詞作曲したものである。撮影中に久松静児監督が突然、「ここでひとつ歌が欲しいな。繁さん、何か歌え」と言った。場面は、知床の漁師の息子(僕の役)の出征を祝う宴。森繁さんは土地の匂いのする歌をイメージしたのだろう、セットのちゃぶ台に紙片を置き、「……知床の」「……岬に」とエンピツで書きつけ、口ずさむ。昼食休憩があり、そして出来上がったのがあの曲。森繁節で見事に歌った。

だからあれはもともと、我が子を戦場に送る惜別の曲だったのである。あの場に居合わせた人ももうほとんどいなくなったと思うので、生き証人として記しておく。(ここまで)
(「山﨑努 私の履歴書(11)映画出演」 2022年8月12日付日本経済新聞

山崎さんの意を汲み、この由来は残しておきたい。多くの人にも知ってほしい。

 

www.nikkei.com