金融翻訳者の日記/A Translator's Ledger

自営業者として独立して十数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

「個人の尊厳に基礎を置かない超越的な価値(国家、民族、伝統、共同体など)を認めたとたんに、個人の尊厳は際限なく掘り崩される」:出会った言葉:3~5年前の今日、FBお友だち限り投稿への書き込みより)(235)

(1)3年前の今日
「平成」を特徴付けてきたのはある種の崩壊感覚である。
……(本書は)「平成時代」は存在したが、それは天皇の存在という理由によって一時代を成すのではないという立場をとる。「平成」をひとまとまりの「時代」とすることができるのは、それが冷戦の終わりからグローバリゼーションへと向かっていく世界史的な激動の時代に重なるからである。……つまり「平成」とは、グローバル化とネット社会化、少子高齢化のなかで戦後日本社会が作り上げてきたものが挫折していく時代であり、それを打開しようとする多くの試みが失敗に終わった時代であったと要約できる。
(『平成時代』pp27-28吉見俊哉岩波新書

www.iwanami.co.jp

(2)4年前の今日
個人の尊厳に基礎を置かない超越的な価値(国家、民族、伝統、共同体など)を認めたとたんに、個人の尊厳は際限なく掘り崩される
(『面従腹背』前田喜平著、毎日新聞出版 p44)

(3)5年前の今日
黙っていた方がいいのだ
もし言葉が
言葉を超えたものに
自らを捧げぬくらいなら
谷川俊太郎 『第四 折々のうた』p121)