(1)3年前の今日
「平成」を特徴付けてきたのはある種の崩壊感覚である。
……(本書は)「平成時代」は存在したが、それは天皇の存在という理由によって一時代を成すのではないという立場をとる。「平成」をひとまとまりの「時代」とすることができるのは、それが冷戦の終わりからグローバリゼーションへと向かっていく世界史的な激動の時代に重なるからである。……つまり「平成」とは、グローバル化とネット社会化、少子高齢化のなかで戦後日本社会が作り上げてきたものが挫折していく時代であり、それを打開しようとする多くの試みが失敗に終わった時代であったと要約できる。
(『平成時代』pp27-28吉見俊哉、岩波新書)
(2)4年前の今日
個人の尊厳に基礎を置かない超越的な価値(国家、民族、伝統、共同体など)を認めたとたんに、個人の尊厳は際限なく掘り崩される
(『面従腹背』前田喜平著、毎日新聞出版 p44)
(3)5年前の今日
黙っていた方がいいのだ
もし言葉が
言葉を超えたものに
自らを捧げぬくらいなら
(谷川俊太郎 『第四 折々のうた』p121)