(1)3年前
仕事で頑張れるのは、人の役に立つと信じられるからですね。
(出雲充さん「仕事力」 2019年1月20日付朝日新聞)
(2)4年前
多言語・多文化に向き合う翻訳は、おのずと原文を尊重する方向へ向かう。英文学者の山本史郎氏は「米国でも、自然な訳文にしすぎないほうがいいとの考えが出てきている」と指摘する。
日本は翻訳大国といわれる。明治・大正期には名だたる作家・詩人によって訳の正確さより日本語の格調を重んじた訳書が出され、その後は原文にひきずられた「翻訳調」の訳書も多かった。
1990年代以降、村上春樹氏や柴田元幸氏、鴻巣友季子氏といった現在50~60代の翻訳家たちがこれを刷新する。原文の味わいを生かし、日本語としても自然な文体が普及して、翻訳の質は格段に高まった。
さらにその下の世代は、正統な英語や日本語の表現というルールに縛られない柔軟性を備えている。80年代以降、西欧・非西欧を問わず流入した豊富な海外文学をリアルタイムで摂取し、古典もサブカルチャーも等価に受容してきた世代。米同時テロ後、世界は多様で複雑であることを皮膚感覚で知ってもいる。
(英語文学 翻訳に新風 多様な世界の今 リアルに映す 2018年1月20日付日本経済新聞最終面)
*今朝の「出会った言葉」は日経新聞の最終面の記事。よくまとまっていると思うが異論はあるかも。いずれにせよこれは文芸翻訳の話であって、「原文で述べられている事実とロジックおよび筆者の結論、主張、評価または言い訳を、その時点の業界で最も受け入れられている、わかりやすい日本語で書く」実務翻訳とはちょっと違うと思います。