(1)2020年の今日
この世をふかく、ゆたかに生きたい。そんな望みをもつ人になりかわって、才覚に恵まれた人が鮮やかな文や鋭いことばを駆使して、ほんとうの現実を開示してみせる。それが文学のはたらきである。(略)文学は現実的なもの、強力な「実」の世界なのだ。(荒川洋治『文芸時評という感想』四月社)*孫引きです。
(『古くて新しい仕事』島田潤一郎著、新潮社(2019年)
*本日の言葉:文学は実学だ、という文章を初めて読んだのでメモをしました。一方、「これまで実学だと思われていたものが、実学として『あやしげ』なものになって」きたとも。かみしめたい。
(2)2019年の今日
人は悲嘆に暮れて涙を流すというよりも、涙が零れるという出来事に身を委ねるのではあるまいか……人は時に生理に救われる。
(3)2018年の今日
大切なところに出す人間はどういうふうに選ぶかといいますと、ものすごく疲れたときに笑顔のいい奴を出せっていうんですよ。辻静雄
(2018年1月13日付付朝日新聞「折々のことば」より)